Ⅵ. 放射線治療を担当する人

病院で放射線治療を受ける場合ときは、放射線治療を担当する医師、診療放射線技師、看護師などトレーニングを受けた専門のスタッフが治療を担当します。
 

1.放射線腫瘍医

放射線腫瘍医は、患者さんの放射線治療に関して責任を持って対応する専門医で、患者さんの主治医や他診療科の医師と協力して治療を行います。放射線腫瘍医は、放射線治療を担当するスタッフと一緒に治療計画を行い、治療内容を把握しながら治療を進めていきます。また、治療中には診察をして腫瘍の状態や副作用等についても確認しながら治療を行います。

 

2.診療放射線技師

診療放射線技師は、放射線腫瘍医が指示した線量を治療計画で決めた照射方法により放射線治療装置を操作して患者さんに日々正確に照射し、記録します。また、線量等が正確に照射できるように治療装置の精度管理や線量測定、定期点検を実施し装置が正確に稼働していることを確認します。放射線治療を担当している診療放射線技師には認定機構が行う認定試験に合格して放射線治療専門診療放射線技師の認定を受けているスタッフがいます。

 

3.看護師

放射線治療を担当している看護師は、他の治療スタッフと協力して、治療前、治療中および治療後の患者さんとご家族のケアを行います。看護師は、放射線治療で起こる可能性のある副作用とその対処法を説明し、治療中は患者さんの状態について観察して、変化が生じたときに患者さんを支援し、腫瘍医に報告・指示を受けて対応します。

 

4.放射線治療品質管理士、医学物理士

放射線治療品質管理士は、放射線治療専門放射線技師や医学物理士が講習・試験を受けて認定されたスタッフで、主に放射線治療装置の保守管理、線量測定や治療計画装置の保守管理を専門に行うスタッフです。医学物理士は、診療放射線技師や物理系の大学を卒業した者が医学や放射線物理・生物・化学等に関する勉強をして医学物理士認定機構が主催する認定定試験に合格し、且つ臨床経験を有する者が認定される資格です。医学物理士も放射線治療に関する精度管理に携わっています。

 

5.受付等のスタッフ

放射線治療部門には上記のスタッフ以外にも事務処理を行うスタッフ、放射線治療を支援するためのスタッフがいます。これは治療の現場にはいなくても支援を受けられます。ソーシャルワーカ:訪問看護やカウンセリングなど様々な支援の紹介や調整を行います。栄養士:治療中の食事の相談ができます。理学療法士:治療中の身体機能の支援を行います。歯科医:口腔内や歯のケア等について相談を受けられます。